第73話 オリバーのだっしゅつ

あらすじ

ある日、エドワードとトレバーがおしゃべりをしていると、ダグラスがやってきました。
重そうな貨車を引いています。

「仕事中にムダ話はいけませんな」

エドワードはムッとします。

後でエドワードはダグラスに文句をいいました。

その晩、ダグラスは夜行の貨物列車を引いて、遠くの駅までやってきました。
そこはディーゼル機関車しか、働いていない駅でした。

彼が支線に入り、帰り支度をしていると「シュー」という音が聞こえてきます。

「そこにいるのは、だれです?」

「あなたは、ハット卿のところの機関車ですか?」

「えぇ、そうですよ」

「よかった。ぼくはオリバー。いっしょにいるのはブレーキ車のトードです」

「何をしていんですか?」

「逃げ出すところです」

「また、どうして?」

「スクラップにされそうなんです」

「ええー」

ダグラスは、エドワードがトレバーを助けた話を思い出しました。

「私がたすけてあげましょう」

ダグラスの機関士も協力してくれることになり、準備が進められます。

「わたしが引っ張りますから、ついてきてくださいね」

ところが、駅を抜けようとしたところで、作業員に呼び止められてしまいました。

「これを引っ張っていっちゃいかん」

「このスクラップを引き取るところなんですよ」

ダグラスの機関士にそういわれて、作業員はオリバーをジロジロ見回しました。

「どうやらそのようだな。通ってもいいぞ」

「いやー、あぶないところでしたな~」

「ありがとう、本当にドキドキしちゃったよ」

彼らの冒険が終わったのは、明け方でした。

「やっと、着きましたよー」

「シー、まだみんな眠っているよ。オリバーが泊まれるところをみつけてやらなくっちゃ」

「いろいろありがとう。命拾いしたよ」

次の日、ダグラスはみんなにオリバーのことを話しました。

「ハット卿に知らせなくっちゃ」

「オッホン、わしならここにおるぞ、どうしたんだ?」

「もう一台、機関車を増やしてくれませんか?」

「それも蒸気機関車がいいな」

「スクラップに、なりそうなのでもいればな」

「ピッタリのがいますよ、オリバーです」

「ハハハ。君の機関士から聞いてすべて知っていたんだよ。そのオリバーはいま、修理工場にいる」

「わーい、やったー」

オリバーとトードは、大西部鉄道の機関車にふさわしい色に、塗りなおしてもらいました。

いま、オリバーはダックの支線で楽しく働いています。

みんなはその支線を小さな大西部鉄道と呼ぶようになりました。

出演
・トーマス
・ダグラス
・エドワード
・ダック
・ゴードン
・ヘンリー
・ジェームス
・パーシー
・トレバー
・オリバー

オリバーに何があったのかはわかりませんが、無事に逃げ出せてよかったです。
それにしても、機関車のみんなも、ハット卿もやさしいですね。


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