第94話 サー・ハンデルのけびょう

あらすじ

いつもの路線を機関車たちは走っていると、さわやかな空気に乗って、おなじみの音が響いてきました。

観光客で賑わう山や湖を、ヘリコプターのハロルドがパトロールしています。

ハロルドは、あるものに気づきました。

ガッシリしたディーゼルが山の斜面を走っています。

もっとよく調べようと、低空飛行をします。

「ぼくは、ハロルド。君の名前は?」

「ぼくは、ラスティーていうんだ」

「見慣れない顔だね」

「ハット卿がここを手伝うようにって、ぼくをよこしたんだ」

彼にはヘリコプターと、おしゃべりしている暇はありませんでした。

ピーター・サムとサー・ハンデルは、ラスティーが来るのでうれしいですが、それでもサー・ハンデルはブツブツ文句をいっています。

貨車はサー・ハンデルが嫌いでした。
いたずらしようとうずうずしています。

「だれも俺たちの苦労をわかっちゃくれない。病気になっちまえば、貨車の移動をしなくてすむぜ」

ゴードンがいいました。

「それは、グッドアイデアだね。やってみるよ」

翌朝、彼は仮病をつかいました。

時間がないので、彼の貨車は急いで、ピーター・サムの客車につながれます。

残りの貨車は、ラスティーが引き受けます。

ピーター・サムは仕事が増えても、平気でした。

客車を駅に置くと、楽しそうに貨車を転がします。

まもなく、石切場に到着しました。

スロープの下の、空っぽの貨車にロープが引っ掛けられます。

ロープは石を積んだ貨車に、つながっています。

上の貨車が降りはじめると、その重みで空っぽの貨車が引き上げられる仕組みです。

ピーター・サムはスロープの下で、石を積んだ貨車を待っていました。

貨車が暴走しなければ、衝突しません。

だが、石を積んだ貨車がピーター・サムをサー・ハンデルと勘違いしました。

貨車が暴走します。

ピーター・サムは目をつぶりました。

貨車とピーター・サムは激突します。

近くで働いていた、ラスティーが後片付けにやってきました。

ピーター・サムはボロボロです。
煙突は曲がり、ボイラーはへこんでいます。

彼は、ため息をつくとノロノロと帰ってきました。

サー・ハンデルはハット卿に仮病がばれて、ピーター・サムの分まで働くように、お仕置きを受けます。

残骸をきれいに片付けると、ラスティーは石切場を出発しました。

ハロルドがやってきました。

「よろしい、これからもいい仕事をしたまえ」

小さなディーゼルは、家路を急ぎました。

出演
・ハロルド
・ラスティー
・サー・ハンデル(ファルコン)
・ピーター・サム(スチュアート)
・ゴードン

サー・ハンデルの仮病のせいで、ピーター・サムはひどい目にあってしまいましたね。
一生懸命働いているのに、かわいそうでなりません。


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