あらすじ
「それでさ、毎年事故のあった日になると、みんなに注意でもするように走ってきて、幽霊みたいな悲鳴をあげながら、通り過ぎてゆくんだよ」
「なんのこと話してるんだい?」
「幽霊機関車さぁ。機関士が夕べ見たんだって」
「どこでさ~」
トーマスとトビーが聞きます。
「わかんないけど、考えただけで震えちゃうよ」
「まったく臆病だな、ぼくはちっともこわくないね」
「トーマスはちっとも信じてくれないんだ」
パーシーがいうと、機関士が笑った。
「あれはだたの作り話だもの」
パーシーはガッカリしました。
その夜、パーシーは港からの帰りでした。帰り慣れた道なので、暗闇でもどこを走っているかわかります。
パーシーは夜走るのが、好きでした。
レールはブンブンうなり、信号は緑に光っています。
けれど、前方に石灰を積んだ荷車がひっくり返っていました。
荷車を引いていた農夫が助けを呼びにいって、そこにはだれもいません。
荷車は木っ端微塵に壊れました。
あたり一面、石灰だらけになってしまいました。
パーシーは慌てて、近くの信号所に駆け込みます。
機関士が信号士に事故のとこを説明しました。
信号士は幽霊みだいだといいます。
パーシーはクスクス笑います。
「そうだ。幽霊の振りをして、トーマスをおどろかせてやろう」
トビーも手伝ってくれることになりました。
トーマスは夜の出発に備えて、オイルを点検しています。
「パーシーが事故にあったよぉ」
トビーが叫びます。
「情けないヤツだ。まいったな、ぼくの出発が遅れちゃうじゃないか」
「いま、線路の片付けをしてるんだけど、なにかへんなものが…」
「早く話せよ。ぼくはグズグズしていられないんだ」
「へんなものを見たんだよ。パーシーの幽霊みたいだった。こっちに向かってきているみたいだよ」
「ふん、だれが信じるもんか。こわがるなよトビー、ぼくがついているからさ」
「入れてくれ~、入れてくれよ~」
パーシーはすすり泣きます。
「入れてくれないなら、扉を壊して入っていくぞ~」
「うわああぁ、ああ、そうだ、もう遅いから行かなくっちゃ。アニーとクララベルを連れていかなくっちゃ~」
トーマスが戻ってきたのは、朝でした。
「どこに行っていたんだい?」
「え、あ、あの、君がパーシーのことで悲しんでいたからさ、じゃ、邪魔しちゃ悪いと思って、か、か、貨物置き場の方で寝ていたんだよ」
「そうだ、ごめん、こうしちゃいられないんだ。客車を集めに行かなくちゃ」
パーシーは作戦が大成功して、それはもう大喜びです。
トビーからすべてを聞きました。
「キャハハ、面白かったな~」
「アハハハ、みんなもトーマスが本当に幽霊にあったと思っているよ」
出演
・トーマス
・トビー
・パーシー
はじめ、トーマスは「ちっともこわくない」と強がっていましたが、やっぱりこわかったようですね。
貨物置き場で寝ていて、朝に帰ってきたのが、かわいかったです。
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